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山崎隆のシェアハウスで幸せになる方法

失敗例に学ぶ③
[二世帯住宅をシェアハウスに転用する]

既に土地を所有していて、注文住宅を建てるような場合、一般的には二世帯住宅のゾーニングについては、大きく分類して2つ、つまり“分離型”と“共用型”があります。
実は、その“共用型”の二世帯住宅は、シェアハウスの間取りに近い考え方の場合が多いのです。
なぜなら、祖父母と娘夫婦の家族が、6人前後の人数で一緒に住んでいたりするからです。あの「サザエさん」のような家族構成のイメージでしょうか。
つまり、シェアハウスへの転用(コンバージョン)が容易なのは、このタイプなのです。

一方、息子夫婦の家族が好む間取りは“分離型”の二世帯住宅になる傾向があります。
通常、キッチンは2つありますし、玄関までも2つあったりします。
建物内では、扉一枚を通じて相互の世帯が繋がっているケースもありますが、そうでない場合も少なくありません(これで二世帯住宅といえるのか?)

そもそも、二世帯住宅というものは、やがては子供が独立したり、祖父母層の相続が起きたりすると、その子からなる夫婦は晩年には、夫婦二人だけで広い二世帯住宅を非効率に使っているようなことになりがちです。

最悪の場合、相続で遺産分割の争いが起き、二世帯住宅を売却しなければならなくなった時は、間取りが二世帯用途にカスタマイズされ過ぎているために、非常に売りにくい間取りになっている場合が多く(比準価格における最有効使用ではないということ。不動産鑑定評価基準の12ページを参照)、出口戦略が難しくなってしまうのです。

売れない、かといって自分でも効率的に使えない。そうなると保有しても意味の無い資産になってしまいますが、住宅ローンが残っていたりすると最悪になります。
これでは、本当に身動きが取れなくなってしまいます。

何でも、出口戦略は大切です。建てる前から、様々なケースをシミュレーションして、最終的な出口を考えて行動するのです。

事前に、シェアハウスに転用できる二世帯住宅を建てておけば、少なくとも収益性という点では問題が無かったでしょう。換金性についても、やり方はあったはずです。

事前に「貸せる、売れる」という利用価値を高めておけば、どうにでもなったのです。
部屋数が多い(「大きな部屋が二つに分けられる」でもOK)。トイレや浴室の数が各々複数ある。こんな特徴を持つ二世帯住宅は、シェアハウスとしても利用できそうです。

まずは、くれぐれも短絡的に二世帯住宅を建てないことです。

公開日:2016年6月29日

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