山崎研究室

山崎隆の虚実妄言

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全宅連主催セミナーで講師をやったよ。

2014年11月21日。
公益社団法人「東京都宅地建物取引業協会」が主催するセミナーで講師をやった。
テーマは「やってはいけない相続税対策と遺産分割」。
会場の東京大神宮会館には、
聴講者である不動産業界の関係者が約100名ぐらい集まった。

全宅連主催セミナーで講師をやったよ。全宅連主催セミナーで講師をやったよ。

昨今、不動産業界でも「相続対策」をテーマにしたセミナーが花盛りだ。
これも一種の研修なのだが、
それにしては、ちょっと気掛かりなことが少なくなかった。

要するに、不動産業者は“宅地建物取引主任者”の資格があれば、
誰でも不動産業の営業が出来る訳だが、
相続に関する知識については何も持って無いに等しい。
だから、そのような課題を改善するために研修をやっている訳なのだが、
ちょっと様子が変なのだ。
全宅連主催セミナーで講師をやったよ。全宅連主催セミナーで講師をやったよ。

壇上から見ていると、まず、寝ている人が少なくない。
起きている人でも、メモを取っている様子がない。
終わった後に的を射た質問がない。

だが、多少の救いは、あった。
女性の、それも相対的に高齢の(というか中年以上の)参加者が、
一生懸命にメモを取り真剣に聴講している様子が見えた。

「どこの世界も女性が強くなっていくんだなぁ…」。
しみじみと、そう思えてきた。

不動産業の難易度は、私がデビューした当時の昔と今とでは全く違う。
昨今、不動産や建築の分野におけるソリューション(問題解決)に必要な知識は、
膨大な知識量となっている。
いまや誰もが皆「不動産のコンサルティングをやってます」
なんて軽々しく言う時代だが、そんなに甘いもんじゃない。

全宅連主催セミナーで講師をやったよ。

一定以上のレベルで、
税務・民法・鑑定・建築・土木などの知識をもって、
これら実務をこなすことの大変さを、本当に理解しているのだろうか。

不動産業界は、旧態依然のスタイルを捨てて、変わらなければならない。
でも当面は「無理なんだろうなぁ」とも思う。

講師料を頂き、著作も大量に販売できて、嬉しいことではあるのだが、
何か釈然としない空しさだけが脳裏を過ったのだった。


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