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山崎研究室
山崎隆の虚実妄言
「やってはいけない相続税対策と遺産分割」の書評を自分でしてみた
ああ、もう新年(平成26年)になってしまった。
なんと年の経つのが早いのか。どうりで老けるのも速いはずだ。
髪の毛が薄くなってきたし、白髪も増えた。
ところで嬉しいことに「やってはいけない相続税対策と遺産分割」の売れ行きが良い。
このブログを書いている1月9日時点では、相続・贈与部門でアマゾン1位である。
ということで、ちょっと、この本の自己紹介をさせてもらうことにした。
本書は、帯にもあるように、悪徳銀行や悪徳建設業界へのアンチテーゼでもある。
あるいは、あまり賢くない税理士へのアンチテーゼでもある。なぜなら、彼らは経営学
のセオリーを無視して相続税のコンサルティングをしているからだ。
経営学とは、すべての資産運用や投資行為を統括するに相応しいロジックである。
また定量的な経営学の知識で最も重要なのは財務分析である。
だが、その要点を列挙すると単純だ。
・借金は、バランスシートでは、流動負債と固定負債とに分けて表記される。
・総資本からすべての負債を差し引くと、自己資本(又は純資産)と表記される。
・原則として「時価ベースで流動性と自己資本比率が高い資産構造」がベストである。
・安全な投資行為とは資産構造に配慮しつつ収益(利潤)を求めることである。
以上、この4点である。単純だ。
だが、この至極当然の前提条件を無視して相続税評価ベースで節税対策を行う税理士や
銀行が後を絶たない。時価ベースで流動性を維持しなければ、納税も、遺産分割もできない。
借金をしたら、なおさら遺産分割できない。債務の承継は、その時点で一括返済できな
ければ、債権者の承諾が必要だからだ。そうなると連帯保証人の連鎖が始まり、連鎖倒
産ならぬ連鎖破産の原因になる。債務リスクの拡大が防げない。
経営学を知らないとは、まさに哀れである。
従来の相続対策が如何に間違っていたか、実際に、どれだけ多くの資産家が破綻して
きたか。その原因を知るべきである。
実は、その理由とカラクリが本書に書いてある。
税理士、弁護士、銀行、建設業界などが一蓮托生になって、馬鹿の一つ憶えのように実
施してきた従来の相続対策の手法の多くは、実は危険な対策だったのだ。
本書を読めば、それが良く理解できるだろうと思う。