山崎研究室

山崎隆の虚実妄言

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三井不動産、恐るべし(平成26年7月某日)

平成26年7月26日、三井不動産リアルティが主催するセミナー講師をした。
昭和バブル時代からの知人が同社の役員であることが縁で講師を頼まれたのだが、
さすが、三井不動産である。会場は六本木のミッドタウンだ。
その大きな会場が、ほぼ満員になった。

三井不動産、恐るべし三井不動産、恐るべし三井不動産、恐るべし

これは私の力なのか、三井不動産の力なのか…。
まあ、たぶん講師の知名度なんて、あんまり関係無いのだろう…。

ついに山崎も、コンサルタントとしての中立性を忘れ、
三井不動産の“客寄せパンダ”になり下がったのか。

そんな心配をしている貴兄には「心配無用」である。
この日も私は通常運転である。

いつもの毒舌が聴講者にも主催者にも突き刺さった。

私は昔から、論理的思考をもってビジネス展開する会社はウェルカムだ。
逆に、非論理的思考をもって情緒的な営業を展開する会社はノー・サンキューだ。
そういう意味では、三井不動産は合格である。

論理を尊重する神様は、人々の合理的な行動がもたらす結果について、
けっして裏切らないと私は信じている。
コンサルタントを自称するなら、論理の神様に忠実でなくてはならない。

要するに今回の三井不動産の企みというのは、
拙著「やってはいけない相続税対策と遺産分割」をテーマにして、
不動産を保有する富裕層を取り込もうとしているという訳である。

この本は、もう既に4刷を達成しているので、
類書の中ではベストセラーになってしまった。

本書ほど相続というテーマに対して論理性を持つ書籍は他に存在しないので、
論理の神様を信奉する三井不動産は、嫌々ながら私に声を掛けたのかもしれない。

真の相続対策とは「バランスシートの改善と最適化」である。
相続対策とは「子々孫々のための人生設計」である。
人生設計とは「時価によるバランスシートの設計」である。

今まで語られなかったこの論理の破壊力に気づいたのである、彼らは。
でも、まあ要するに、三井不動産の方々は、かなり頭が良いということでもある。
アホな私が言うのも何だが…。

だが、そんな私は、セミナーが終わり、重大な懸念の存在に気づいてしまった。
なぜなら彼らは、私が有料で実施しているサービスを、
なんと、無料でやってしまうということを知らされてしまったからだ。

その業務プロセスとは、相続対策のコンサルをする前に行うバランスシートの分析である。
それも相続税評価と時価との両方でやるという。

彼らはこのセミナーでそれを宣伝したかったのだ。

まさかっ、げっ、マジかよ~。ヤバくない?ウチって…。
私のやり方をパクるなんて…。
これは昨今流行りの表現を使うならば、オウンゴールか?
つまりは“自爆”か?

最近の自爆ニュースで一番笑えたのは、韓国だ。
韓国は、朝鮮戦争時に米軍へ提供していた慰安婦のサービスを、
なんと国家体制として管理をしていたのだった。

今、国家管理の事実が暴露され、韓国政府は元慰安婦らに訴えられているというが、
管理をしていた当時の大統領は現大統領のお父上の朴大統領だったという。

これは笑える。
ブーメラン、ブーメラン…」という歌詞が浮かんだ(注:西城秀樹のヒット曲)。

しかしながら狭量な私は、自分の自爆セミナーは笑えないのだった。

確かに三井不動産のサービスの類いは、銀行でも無料でやっている。
だが正直に言って不動産についてはズブの素人の銀行員が行うサービスなんて、
私のスキルに比べれば取るに足りないもの。所詮、ガキの使いだ。

だが不動産の玄人である三井不動産がこれをやるとなると、モロ競合になる。

零細企業の私の未来に、居場所はあるのだろうか?

今回のセミナーは、リアルプランセンターという都心型営業所も関係している。
もしも、これが全国の三井のリハウスをはじめ、リパーク駐車場まで行き渡ったら、
末恐ろしいことになるのではないかとも思う。

三井不動産、恐るべし…。
財営コンサルティング、危うし…。

資本力がある会社がロジックを全面に押し出して来るとなると、これは怖い。
一方、資本力が無い会社が同じことをやっても、あまり怖くない。
少なくともリハウスには、今まで通り情緒的な営業をやっていて欲しいなあ…。

なんか哀しい現実を思い知らされたような気がする。

誰か、増資のためのお金をちょうだい。
某有名ドラマの台詞「同情するなら金をくれ」が思い浮かんだ。

どうしようかなあ、うちも最初の相談料だけは無料にしようかなあ…。
でも、そのうちコンサルティング報酬も無料の時代になっちゃうのかなあ…。
でもねえ、そうしたら不動産業者(宅建)登録をして、
不動産の仲介手数料で稼がなければならないし、
ついでに損害保険も売らなければならなくなるよなあ…。

結局それって、コンサルティング会社を廃業せよということか?
ねえ、誰か、私にコンサルティング会社の経営法をコンサルしてー!

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