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山崎研究室
山崎隆が語る「不動産と相続の教養講座」
第7回 「やってはいけない相続税対策と遺産分割セミナー」 編
日本全国が大変な事態に陥ったあの大雪の日(平成26年2月15日)、
「やってはいけない相続税対策と遺産分割」というセミナーを開催した。
これは、いまだにアマゾンで上位ランキングを確保し続けている私の本の題名を、
そのままテーマにしたセミナーである。
仮に自画自賛をするならば、「相続税対策と遺産分割に革新的なロジック(経営学)
を導入した、日本唯一、最高峰の理論を実践するためのセミナー」ということになる。
だが、こんな威勢とは裏腹に、こんな悲惨なセミナーは初めての経験だった。
なぜなら、キャンセルが続出した上に、
セミナー後半の講師である龍前氏が会場に来られないのだから。
龍前氏の家は埼玉の奥地、高崎線の沿線なのだ。
これでは軍用ジープでも迎えに来ない限り、東京に出て来るのは無理だ。
それ故に、私一人でセミナーの講師をすることになってしまった。
実は税理士の龍前氏とは、もう20年ぐらい前からのお友達なのだが、
その経歴はと言うと、泣く子も黙る元国税調査官である。
国税調査官とは、相続税の申告書の虚偽を調査するコワーイ人なのだ。
だから、私よりも龍前氏の話を聴きに来た方も多かっただろう。
ここにお詫び申し上げたいと思う。聴講者には申し訳ない限りである。
結局、こんな酷い雪をものともせずにセミナー会場までおいで頂いた方に、
延々と約3時間も“山崎節”を聴かせることになってしまった。
つまり「こんな私で良かったら、“山崎節”を聴いてって」という展開に…。
そして私は、長時間を一人でしゃべり続けて、かなり疲れてしまった。
冬なのに、暑くなって上着も脱ぎ捨ててしまった。
やがて最後には、あまりに疲れたためか、
なぜか告げ口外交が大好きな韓国の朴大統領のように、
他者の悪口を言いたくなるのだった(自分のことは棚に上げて…)。
朴大統領は「過去を反省しない国に未来は無い」と各国に繰り返し告げ口し、
売春婦を従軍慰安婦にすり替えて卑劣な外交を仕掛けている。
だが私は、靖国神社参拝が大好きなので、過去は反省しないことにしている。
そして徐々に、私の告げ口セミナーは次第にエスカレートしていった。
相続をネタに資産家を食い物にしている者たちへの告げ口が始まった。
「銀行員なんて、顧客の利益など何も考えていない。ただの金貸しだ」。
「税理士なんて、経営学を知らないので、バランスシート分析ができない」。
「FPなんて、ただの保険屋に過ぎない(私がFPなのを忘れていた…)」。
しまいには暴走して「後援」を頂いた旭化成さんの悪口を言い始めてしまった。
「二世帯住宅や賃貸併用住宅を建てると、個人のバランスシートが悪化するぞ」と。
ああ、やっちゃった。いつものように…。
自分でも、今日は、ちょっと壊れ過ぎてしまったような気がする。
仕方がない。きっと、何もかも雪のせいだ。
大雪は、冷静な頭脳(?)を奪ってしまうのかもしれない。
やがてセミナーも終わり、私は不安になって早速アンケートを全てチェックした。
だが驚いたことに批判的な意見は全く無く、むしろ好意的な意見が続く。
「大変役に立った」や「非常に勉強になった」などの声がほとんどであった。
なんとも摩訶不思議な。だが私は、安堵した。
結局、反省を忘れた私は、スタッフと一緒に打ち上げをすることにした。
(費用は龍前氏に支払うはずだった講師料を流用しちゃいました)。
大雪のせいで閑古鳥だった馴染みの蕎麦屋さんは急に騒々しくなっていった。
カモ鍋の美味しいスープと日本酒が、私の疲れを溶かしていった。